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BGS of Driver's Bandolier

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Pathecho Equipment Supplyとしての最初のプロダクトであり、私たちの理念そのものを体現した存在であるDriver's Bandolier。
発表してからおよそ10ヶ月が経ったタイミングではありますが、開発背景やメッセージについて、携わったメンバーによる発信、テキストをまとめました。
既にこのプロダクトとともに日々を歩んでくださっている方にもご一読いただけますと幸いです。

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車を運転する人であれば、愛車との忘れがたい思い出や印象的な旅先、瞼に焼き付いた運転席からの景色、といったものをお持ちだと思います。自分とたくさんの時間、距離をともにして肌に馴染んだ車への特別な愛着は、多かれ少なかれほとんどの運転者の方が車種に関わらず抱いているのではないでしょうか。

私もそうした運転者のひとりです。乗り始めて以来毎日のように運転しているなかで、あの日の帰り道、あの道で見た景色、あの人を初めて乗せたとき、といった印象的な記憶はたくさん積み上がってきました。
特段新しくもない年式の愛車はいまもよく走ってくれますが、やはりいつかくる別れを現実的に想定させられる出来事というのは度々起こるものです。

愛車との別れを意識し始めたとき、いまの車との距離や時間の気配、名残を次の車に引き継ぐための媒介となるものがほしいと思いました。
次に乗る車が同じ車種であればいまの車についている傷だらけのパーツやホイールを引き継ぐといったことも考えられますが、実際そうであるかはわかりません。一方、インテリアなどソフトな領域のグッズになると、昨今デザイン性こそ優れた商品が幾分増えてはきたものの、愛着を持って長く使うような想定がされているものはそこまでみられない現状があります。

気に入った家に住んだら長く使える愛着の持てるチェアを一脚置きたい、みたいな感覚で選べるものがあれば良いのですが、そうした意味で車種を超えて引き継ぐことのできる車用品は意外と多くないのです。

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話が少し脇道に逸れるのですが、私の手元には旅好きだったという祖父から受け継いだ古い革のカメラバッグがあります。
とは言っても自分が生まれる頃に体調を崩した祖父はそれから遠出をする機会を減らし、記憶にある彼の姿のほとんどは定位置であったリビングの椅子に座ってお酒を飲んでいるところ、といった具合でした。
それでも、そのカメラバッグのくたびれ具合からは祖父にかつがれて国内外いろいろなところを旅したのだろうと想像ができるし、経年変化を尽くした革の雰囲気が彼の旅好きの証拠であると思えるのです。

私たちがいま愛車で使いたい道具はまさにそのようなものでした。
先代の車が走った道程や時間をうつす証拠として次の車に引き継ぐことができて、それを見るたびに先代との日々を偲ぶことができるなら、それは素敵なことです。
車と自分との間にもそのような役割の存在があればいいのに、と考えたところから、このDriver’s Bandolierはスタートしました。

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*機能について

年代やメーカーによって千差万別の車内空間にあって、ある程度共通している箇所というものは限られています。そのひとつがサンバイザーであり、運転中でも視界の隅にひっそりといる、という点においても今回作りたいものの性格として適していました。そこでこのプロダクトはサンバイザーに着けるものと決まりました。
サングラスや駐車券、交通安全御守の収納といった運転時に求められる基本的な機能を確保するのは大切です。
ただ、この道具にとって最も必要なことは車種を限定せず、引き継ぐことのできる汎用性。次の車で使えないとなれば元も子もありません。なるべくシンプルな設計とし、いろいろな車種のサンバイザーに装着できるよう検討を重ねました。

*デザインについて

実用性も担保しながら必要以上な装飾は排し、どんな車にも馴染む寡黙さを持たせる必要がありました。デザインのヒントになったのは、名作スペースオペラの衣装小物やヴィンテージの軍装品。とりわけ、ツールベルトや弾帯(Bandolier)です。
SFでありながら西部劇からも多大な影響を受けている某スペースオペラの小道具に着想を得ることは、馬具やウエスタンなスタイルからも学びを得ることに繋がりました。
いずれの要素もラギッドな環境下で使用されるレザーツールという面で共通しており、今回のプロダクトの在り方と相性のよいものです。
そのため、これは副次的なことですが、車だけでなく、人間に装着するアクセサリーとしても使えるようになっています。

*素材について

姿そのものが歩んだ道程や年月を物語っているあの古いカメラバッグのように、この道具も長く使って経年変化を見届けなくてはなりません。
それ相応のクオリティとなるように、素材は近畿のタンナーさんによってタンニン鞣し、ワックスの塗り込みがされたヌメ革を使用。また、縫製・製造も近畿の老舗工場の職人さんによって行われたMADE IN JAPANです。革製品に長年関わってきたメンバーの知見も取り入れ、細かな仕様や設計も調整しています。
車の中はときに過酷な環境にもなる特殊な空間ですが、革靴などと同じように適宜ケアを施すことでまた独特の味わいを深めていくことと期待しています。

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また、試作サンプルを使用しながらわかったことは、この道具をつけかえるのは車を乗りかえるときだけではないということです。
遠方、とりわけ海外などに旅をするなら、愛車を駆って行くわけにもいきません。レンタカーで旅先の目新しい景色のなかを走るとき、ふと「いつもの車で走れていたらどれほどよかっただろう」と感じた経験がある人も多いのではないでしょうか。

Driver’s Bandolierは金具以外がすべてレザーでできていて、車内の環境や経過した時間、距離と連動して財布や靴のように独自の変化をしていきます。自分の車や旅路に合わせて変化してきたものを旅先のレンタカーにつけたなら、それは少しだけ、普段の車とともに走っている感覚にもさせてくれるのではないかと思いました。
それに、愛車の代わりに旅に帯同したDriver’s Bandolierが宿した記憶や吸い込んだ空気は愛車が行けなかった道程のぶんも含んでくれるのではないか、とも思いました。
愛車の運転席に帰ったとき、旅先でも変わらず頭上にあったアクセサリーを見て旅の思い出との連続性を感じられるのは、悪くないことです。

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チームには車用品に携わってきたメンバーもいるので、この道具が考え方、価格など多くの点においていわゆるカー用品の王道のロジックに反した存在である自覚もありますが、あえて作成しようとした意図はまさにそこにあります。
私たちと同じように愛車との日々や距離を慈しむ人がいるのであれば、届いてほしいと思っています。

愛車と走った道程(Path)に共鳴(Echo)するプロダクトとして最初に手がけたDriver’s BandolierはPathecho Equipment Supplyの理念そのものです。
この道具が私たち自身の車への愛着の答えとなるよう願うとともに、皆さまのかけがえのない道程に寄り添い、証拠となり、引き継がれていくことを願っています。

Pathecho Equipment Supply STAFF

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